Motobu Life

モトブライフ

#04 毎日表情を変える、一期一会の色

琉球藍

糸の原料となる芭蕉や苧麻が自生し、植物染料も豊富。多様性を極めた沖縄の染織文化の歴史のはじまりに琉球藍の存在があります。
琉球藍はキツネノマゴ科の多年草で、本土の藍染めで主に用いられてきた蓼藍(たであい)とは植生も製造方法も異なります。山がちな地形や多湿な土地で育つため、かつては現在の本部町を中心としたヤンバル(沖縄本島北部)一帯で多くの農家が生産に携わっていました。
今、本部町の藍農家は5組にまで減ってしまったそうですが、琉球藍の色合いがもつ魅力を染めもので伝えつづける人は確実にいて、そのうちの一人が「藍風」の城間正直さんです。

城間さんが長男の誕生を機に故郷である沖縄に帰り、染色家・栗山吉三郎氏に師事したのは1975年。以来、40年近い年月を紅型や藍染めとともに過ごしてきた人の前職が、写真の現像であったことは興味深いところです。
藍四十八色と表現されるように、また、沖縄の海色のように、藍という色はさまざまな表情をもっています。天然染料と手仕事ゆえの風合い。「毎日違うんです」という安らぎの色を、城間さんは長年見つづけてきました。

最近の活動では、沖縄工芸品のオリジナルブランドに取り組んでいる「ゆいまーる沖縄」とのコラボレーションで琉球藍の商品ブランド「aimun(アイムン)」を発表し、注目を集めています。

「藍風」では藍染めの体験も受け付けています。ハンカチや手ぬぐいから、ストール、テーブルセンターまで。糸やひも、輪ゴム、割り箸、板などを用いての絞り染め。絞った生地を藍の甕に浸すと、はじめ緑色に染まる布は、空気に触れることで、やがてあざやかな藍色へと変わっていきます。
「体験ではこちらが学ばせてもらうことばかり」
指先のちょっとした力の入れ方などによって、想像をこえた一期一会の文様が浮かび上がります。

沖縄やんばる藍染・伊豆味焼き茶房 藍風

https://www.aikaze.okinawa/
所在:〒905-0221 沖縄県国頭郡本部町字伊豆味3417-6
電話:0980-47-5583
営業時間:10:00~18:00(4~10月) 10:00~17:00(11~3月)
定休日:月・木