Motobu Life

モトブライフ

#01 寒緋桜は、沖縄の女の人みたい。
たくましくて、瑞々しくて

ロング清美さん 押し花アーティスト

寒緋桜の花びらははらはらと舞わずに、枝での役目を終えた後は花ごと地面にポテッと鎮座。愛嬌があるような、ないような。恥ずかしがり屋のようでいて、ふてぶてしいような。そんな寒緋桜に「親近感を覚える」と、ロング清美さん(押し花アーティスト)は笑います。

「沖縄の桜は、沖縄の女性みたい。たくましさを感じさせてくれる花だなぁと思う。艶やかに咲き、ポテッと舞い降りた土の上で尚、色を放つ。力強さや生命力がたっぷりですよね」

“生きてますよー”って伝えてくれる存在感が好き

日々、目に飛び込んでくる草花や樹木に心がときめくという清美さん。
「木が潮風にあたり傾いたり、うねったり、曲がったり、枯れていたり。そして、葉を青々と茂らせたり、花を咲かせたり。太陽の光や土、雨にさらされながら、生きてる。生きてますよ!って伝えてくれる、その存在感が大好き」

緑にもいろいろな風合いがある

「草花は、摘むのもとても楽しいんです。緑にもいろいろな風合いがあるんですよ。摘むときに風が吹いたり、虫がぴょーんって飛び出したり、発見がいっぱいなんです」
そうやって草花の輝きにふれた気持ちをそのまま押し花にしていきます。

押し花のなかで思いが生きる

草花を専用マットで押し、フレームのなかを真空状態にすることで色を鮮やかに残す清美さんの押し花。ウェディングブーケを押し花にしたり、リクエストオーダーなどにも対応しています。
「東日本大震災でウェディングブーケを作品にしたものが割れてしまい、お直しを依頼されたことがあります。涙が出ました。押し花が香りや手触りを残してくれてる。思いがそのまま、押し花のなかで生きていたんです。お二人には感触も楽しんで、と一部は額に入れずにお渡ししました」
風の心地よさを感じて摘んだ草花、思いのこもった花、すてきな思い出に寄り添う花。自然のなかで穏やかに暮らす清美さんがつくる押し花には、優しさがあふれていました。

ロング清美さん

本部町出身。20代の頃働いていたハーブ&雑貨店で、「ふしぎな花倶楽部」の押し花に出会う。花の色が鮮やかに残る様に感動し、押し花に夢中に。
家族はご主人のブレント・ロングさん、娘さんの愛実さん、愛利さん、犬のフェイスちゃん。キッチンから見える夕陽に感激し、家族でわいわいにぎやかな会話を繰り広げることも多いそう。今日の発見を楽しむ仲良し家族です。

押し花&雑貨 やんばるSheep
http://yanbarusheep.ti-da.net/
所在:沖縄県国頭郡本部町渡久地870-3 ※ザ・テラス グシクムイから車で約5分
電話:0980-47-6522 営業時間:11時〜17時(3月まで不定)/日曜定休
*押し花教室も開催中。